Craig Machinery & Design, Inc. | Haasカスタマーサクセスストーリー
コロナウィルスパンデミックの初期に、ルイビルに拠点を置くCraig Machinery & Designは、個人用防護具(PPE)の世界的な不足に対処するため、N95マスクの製造機械を設計・製作するよう依頼されました。オーナーのCraig Rabeneckによると、このプロジェクトはそれまで引き受けてきたプロジェクトの中でもっとも重要なものでした。
N95マスク製造機械は、1台につき1秒間に12枚のマスクが生産できるよう設計・開発されました。マスクの層を超音波で溶着し、顔にぴったりとフィットする形状を作ります。Rabeneckが説明するように、「基本的な流れは、機械がプラスチックを取って加熱し、振動を利用して溶着させ、N95マスクの形を作ります。機械からマスクを取れば、あとは紐を付けるだけです」
Craig Machinery & Design, Inc.は、超音波溶着と振動溶着などのプラスチック溶着のカスタム機械を設計・製作するフルサービスのオートメーション会社です。Craig Machineryは、2001年に初めてHaas VF-2SSを購入して以来Haas CNC機械を使用して自社の製品を製作しています。現在は、Haas機械 5台(VF-2SS超高速VMC 2台、VM-3金型加工VMC 2台、GR-510ガントリールーター 1台)を据えています。
Craig Machineryの工場に加わった一番最近のものは、2020年3月に購入したHaas VM-3金型加工機です。この機械の出荷は、Craig Machineryが3台のN95マスク製造機械の設計・製作を受注した後、Haas本社と地元のHaas ファクトリーアウトレット(HFO)中西部が納期を前倒しました。コロナウィルスが急激に拡大し始めたため、注文が3台から75台へと一気に増加しました。
「HAAS ファクトリーアウトレット中西部で全員一斉に取りかかった注文でした」と、中西部製造リソース部門のDaveTucker HFO社長は述べています。「多くの企業が閉鎖を余儀なくされている時でしたが、Craig Machineryが政府書類を提供してくれたため、私たちはすぐに、納期を前倒しするようカリフォルニアの工場と共有しました。VM-3がCraid Machineryに到着する日には、サービス技術者を配置して、その日のうちにVM-3を設置し、チップを製造できるようにしました」
「VM-3が完璧なタイミングで到着したため、N95マスクの製造機械の注文に対し納期を早めることができました」とRabeneckは言います。「VM-3のおかげで、最初のマスク製造機械3台を3週間もかからずに、設計から製作そして出荷まで漕ぎ着けることができました。本来なら、このようなプロジェクトは最大で14週間かかることがあります」
Craig MachineがHaas VMCで生産する主なコンポーネントの1つに、金型キャビティがあります。金型キャビティは、SGS Ski-Carb角形とボール エンドミルを使用して、6061-T6 アルミニウム 60 HRB(ロックウェルB)のソリッドピースから加工されます。求められる工具パスは許容値0.0001"(尖点高さ<0.0001)に設定され、荒削り、3D荒削り、ファイン3D荒削りを含めて最大12時間かかる場合があります。
Haas GR-510ガントリー機械もまた、この会社でN95マスク製造機械を生産する上で重要な役割を果たしました。Craig Machineryは、機械のテーブルトップ用大型ブランチャード研磨プレートとアルミダイヤルプレートを加工、ドリル、タップするのにGR-510を使用しました。これまで、この工程は磁気ドリルを使用して実行していましたが、何時間もかかり、正確ではないこともありました。3D CADが出現する前は、すべての部品のレイアウトを作成し、トランスファーパンチを使用して上面の穴の位置にマークを付けていました。現在は、GR-510に研磨されたプレートを設置すると、1時間以内に機械がドリル、タップ、およびその他の機械加工を完了します。
1975年に、Craig Machinery & Designはイリノイ州ヴィラパークの2台の車が入るガレージで設立されました。創設者であるKen Rabeneckは、工具と機械の設計に対して強い思いを持ち、N95マスクプロジェクトでCraig Machineryと提携したBranson Ultrasonicsに10年間勤めた後に退社し、自身の会社を立ち上げました。Machinery & Designは、1977年にケンタッキー州ルイビルで正式に設立されました。
Craig Rabeneckは、ルイビル大学で工学修士の学位を取得した後、1989年に正式に入社しました。CraigはKenの引退後にCraig Machineryを引き継ぎ、それ以来Craigの2人の息子が事業に参加しています。Craig Machineryは、業界で超音波溶着固定具の経験を積むことにより、さまざまな用途のパーツ金型やカスタムウレタン固定具の製造に必要な知識と能力を身に付けました。