電源： Haasの機械はすべて3フェーズ電源で作動します。電圧は、低圧（220V）または高圧（400Vまたは440V）のどちらかです。機械は低電圧か高電圧のどちらかになりますが、お客様の作業場の電源に合わせて、外付けの昇圧もしくは降圧変圧器を使用すれば対応できます。

複数の機械を設置する場合、あるいは将来追加する計画がある場合は、作業場に十分な電源があることを確認してください。この点は、作業場にする建物を選ぶ際に見過ごされがちです。

Haas機械を設置する前に、電気技師によって電源を適切に準備しておく必要があります。これは、地域の全規則に適合し、Haas機械に適切な電力を供給するための必須事項です。Haas機械の小型製品には単相電源で作動するものがあります。例えば、ツールルームミル、ツールルーム旋盤、標準小型ミルなどです。それ以外は、3フェーズ電源が必要です。購入予定の機械に必要な電力を確認してください。*

* 詳細については、設置ガイドをご覧ください。

プログラミング：基本的なプログラミングは直接Haas制御上で行うことができます。Haas制御は発売時から、現場での簡単なプログラミングができるようなデザインになっています。Haas制御上でさらに高度なプログラミングが必要な場合は、当社のビジュアル プログラミング システムをお試しください。視覚的なテンプレートベースのシステムを使用したこの機能で、単純なプログラミングにも高度なプログラミングにも対応できます。さらに複雑なプログラミングや、第4軸および第5軸アプリケーションには、デスクトップCAMシステムが必要になります。定評のあるソフトウェアには、AutodeskやMastercamがあります。

* 詳細については、設置ガイドをご覧ください。

クーラント： お買い上げの機械を使用した作業においてクーラントは大きな要素になります。現場作業の中で、クーラントの供給、混合、確認そして廃棄が毎週の定例項目となります。クーラントには数多くのタイプがありますが、加工品の材質や、現地のクーラント販売業者が取り扱っている製品に応じて選択肢は異なります。まず最寄りのHAAS ファクトリーアウトレット（HFO）にお問い合わせください。HFOの多くがクーラントを提供しており、Haasの機械、そしてほとんどの切削アプリケーションに最適なクーラントはどれであるか心得ています。お買い上げの機械を作動させるには、スターターバケツに5ガロン（の濃縮液が必要になります。*

広さ：機械工具は大きくて重量があります。一度設置すると、移動するのは簡単ではありません。Haas機械にはすべてレイアウト図面が付属しており、機械の必要な外部寸法と内部寸法が示されています。これを使用して作業場での機械の配置を決めます。おおまかに言って、機械の後ろに約3フィート、それ以外の各向きに少なくとも4フィートのスペースを確保します。機械後方のスペースは、電装キャビネットを完全に開くために必要です。このスペースは、電源を引き込むために使用します。電気技師は、機械まで電源を引くためにこの位置を知っておく必要があります。チップの排出位置は機械によって異なります。これは、機械を配置する際に必ず考慮すべき点です。

機械の配置で他に注意する点は作業場の出入口の位置です。ほとんどの機械作業場には、外に向かって大きなシャッターがあります。このようなドアは、その開閉によって作業場の気温が大きく変わることがあるので、機械との位置関係に注意が必要です。Haasの機械は普通の温度影響に対して熱補償で調節する機能を内蔵していますが、大きな温度変化への対応は困難です。

機械に大きい加工品を載せる場合は、機械への上げ下ろしのために追加のスペースを確保できる場所を選ぶ必要があります。機械への上げ下ろしにHaasショップリフトまたはフォークリフトなどのリフト装置が必要でしょう。

助言：作業場のフロアにテープでマーキングすると、機械の色々な位置と向きの具合を確認できます。*

* 詳細については、設置ガイドをご覧ください。

水： クーラントを使用する場合、給水が必要です。できるだけ機械の近くで給水します。クーラントは濃縮してあるので水と混ぜます。機械が作動する際に水分が蒸発し、クーラントの濃度は変わります。良質な屈折計が、クーラントの濃度を最適に保つのに役立ちます。

通常、クーラントの保守は、タンク内のクーラントに水を加えて混ぜた後、濃度を計って行います。オプションとして、Haasの自動クーラント補充システムを装備することができます。このシステムを使用すると、正確な量のクーラントと水が自動的に混合され、クーラントタンクに送られます。このオプションが最大限発揮され、クーラントの保守が簡単になるように、給水は機械の近くで行うべきです。*

* 詳細については、設置ガイドをご覧ください。

空気： Haasの機械にはすべて、操作するのに圧縮空気が必要です。空気は、工具交換、タレットでの締め付け／取り外しなど、機械の操作に使用します。機械に送る空気は、その質と量が重要です。機械を正常に作動させるために、圧縮空気は清浄で乾燥しており、十分な量と圧力がなければなりません。

機械の運転には、高品質のエアコンプレッサーを装備することが非常に重要です。エアードライヤ付きのスクリュー式コンプレッサーが望まれますが、多段ピストンスタイルのコンプレッサーでもかまいません。Haasの機械は供給される空気中の水分を除去するシステムを内蔵していますが、機械に入る空気が清浄であり乾燥しているほど良好な結果が得られます。初期投資の段階では、Haasの機械以外で最も重要な項目は高品質の空気供給システムです。お買い上げの機械に清浄で乾いた空気を供給することで、高い修理費と早期故障を防止できます。*

保持具： 原材料の場合と同様に、保持具も加工するパーツに応じて大きく異なります。立型マシニングセンターの場合、少なくとも6インチの固定ジョービス1台、ソフトジョー数セット、トウ クランプ キット、そして基本的ハンドツールは揃えるべきです。

アイテムが増えるにつれ、サイズの異なるバイス、さらにデュアルステーションのバイスも導入を検討する対象になるでしょう。旋盤には、常に棒材加工を行うようであれば、コレットチャックが必要でしょう。

工具保持具： これも状況によって異なりますが、ミルに必要と思われる基本的工具ホルダは、1/2インチおよび1/4インチのエンドミル ホルダ、キーなしドリルチャック、ER32コレットチャックおよびコレットセットです。工具ホルダ一式には、ER16/ER25/ER32混成のコレットチャック（それぞれのコレットセット付き）が含まれます。ほとんどのコレットセットには必要なレンチが付いています。プルスタッドも必要です。Haasのミルにはほとんど工具締め込み用の固定具が装備されていますが、使いやすい作業台に取り付けるタイプが手元にあれば便利です。Haasの旋盤には基本的な工具ホルダセットが付属していますが、いくつかのERコレットチャックとストレートシャンクコレット ホルダを追加することで、初期工具セットとして完全なものになります。

切削工具：切削工具も、作業のタイプよって大きく異なります。ミルおよび旋盤用には、良質のコバルト ドリルを揃える必要があります。通常、ほとんどのパーツには、ねじ込み機能があるため、タップのセットも必要になります。ミル用エンドミルは1/4、1/2、3/4インチを揃えることをお勧めします。その際、スチール用とアルミ用それぞれのセットを揃えます。旋盤用に、いくつかのODターニング工具、パーツ取り出し工具、ボーリングバーは初期工具として良い選択です。

計測工具： 加工品の計測用に、ノギス 0〜6インチ、スチール機械工用の巻尺、そして0〜1インチ、1〜2インチ、2〜3インチのマイクロメーターセットが必要でしょう。良質の磁気ベース（ダイアルテスト インジケータ付き）があると、機械を設置する際に便利です。ミルにはエッジファインダーが必要です。ワイヤレス プローブ（WIPS）を加えるのも一つの方法です。

チップ容器： チップを捨てるのに専用の容器が1つは必要です。Haasのチップコンベヤ付き旋盤、あるいはチップ取り機能が付いたミルには、キャスター付き55ガロンのチップ容器が最適です。オーガー型チップコンベヤのみを搭載した機械には、チップシュートの下に設置できるよう小さめの容器が必要です。チップ容器があると、機械の掃き出しがより簡単になります。

カート： 工具や仕上がった加工品を載せるカートがあれば整理整頓に役立ちます。工具ホルダ専用、パーツ用あるいは混載タイプのさまざまなカートから選べます。シンプルなラバーメイド製のカートを導入するだけで、作業場でのスムーズな流れを促進できます。