ゼロリターンシーケンスは次のようになります。

1. Z軸
2. X軸とY軸
3. C（第5軸）、TCアーム、回転ラック
4. B（第4軸）

警告：ゼロリターンシーケンスはセーフゾーンを無視します。ツールホルダーにツールが存在する場合、シートメタル、テーブル、またはダブルアームに衝突する可能性があります。 

ツールチェンジャーのダブルアームなど、B/C軸アセンブリの上に障害物がある場合、すべての軸をゼロリターンするように機械に指示を与えると、Z軸が常に最初にゼロ化されるため、B/C軸アセンブリはダブルアームに衝突します。

この衝突を回避するには、ゼロリターンポップアップが表示されたときに [Handle jog] を押します。これにより、一時的にゼロリターンなしのジョグが有効になります。図1に示すように、機械を安全な位置までジョグし、すべての軸をゼロリターンします。

工具が6インチ以上のスピンドル内にある場合は、ゼロリターンポップアップが表示されたときに [Handle jog] を押し、完全なゼロリターンシーケンスを開始する前に、B軸を垂直位置にジョグします。

GM-2-5AXには安全エッジセンサーが備えられており、X軸ガントリーに配置されています。

安全エッジセンサーは、障害物との衝突による圧力によってトリガされます。

機械がプログラムを実行している間に安全エッジセンサーがトリガされると、ガントリーが障害物を押す前に機械が送りホールドし、減速して停止します。

危険：機械がハンドルジョグモードにある場合、安全エッジセンサーは有効ではありません。X軸ガントリーが障害物に対してハンドルジョグされた場合、安全エッジセンサーは衝突を検出しません。

セーフゾーンがアクティブな場合、衝突の発生を防ぐために、特定の軸の動きに制限があります。ユーザーがこれらの制限に達すると、メッセージボックス "RESTRICTED ZONE REACHED"が表示されます。 

このメッセージボックスが表示されるべきでない領域で表示される場合は、セーフゾーンを再調整してください。

問題が解決しない場合は、Haas Service部門に連絡してください。

GM-2-5AXソフトウェアは、機械の不変要素間のセーフゾーンを定義します。

機械の不変要素は次のとおりです。

1. B/C軸アセンブリテーブル
2. X軸ガントリーアセンブリ
3. ツールチェンジャー

以下は、機械の不変要素ではありません。

1. テーブルスプラッシュガード
2. WIPS工具プローブ

GM-2-5AXは、HSK63F工具ホルダを使用します。すべての工具は20,000rpmのツールバランスが必要です。工具ホルダの正しいメンテナンスについては、メンテナンスのセクションを参照してください。

要注意: 工具ホルダなしでスピンドルを操作しないでください。機械は、アラーム973-固定クランプ障害を発します。

要注意: 汚れた工具ホルダや高温の工具ホルダをスピンドルに夜通しで放置しないでください。そうすることより、工具ホルダとスピンドルの間の合わせ面が粘着する可能性があります。作業日の終わりには、清潔な工具ホルダをスピンドルに取り付けてください。工具ホルダは室温であるか、HSDが提供するHSK 63F保護コーンでなければなりません。

 [MDI]を押して[T]を入力し、積載する工具の数を入力します。[ATC FWD]を押します。

第2ホーム機能を使用すると、スピンドルをすばやく配置して工具を積載できます。

第2原点を設定するには、下図に示す位置に機械をジョグします。[settings]を押して、ユーザーの位置タブに移動します。第2原点を選択し、各軸の第2原点設定で[F2]を押します。

ペンダントの側面で[Second home button]を押してスピンドルを工具積載位置に送ります。

要注意：現在のスピンドル位置と第2原点の間に障害物がある場合、第2ホームは機械をクラッシュさせる可能性があります。

工具を手に持ち、Z軸カバーまたはペンダントにある [tool release] ボタンを押し続けます。工具をスピンドルに挿入し、 [tool release] ボタンを放します。

要注意: 工具ホルダ面がスピンドル面と一致するように、工具がスピンドルに完全に固定されていることを確認してください。スピンドルが工具ホルダをクランプするのが早すぎると、工具ホルダ面とスピンドル面の間にギャップができます。スピンドルは回転しませんが、工具交換の指示は可能であるため、工具交換の失敗または工具の落下を引き起こします。

工具をツールチェンジャーにサイクルさせ、アプリケーションに必要なすべての工具が積載されるまでこのプロセスを繰り返します。

ベクトルジョグ機能により、オペレーターは現在のスピンドル方向のベクトルに沿って機械をジョグできます。ベクトルジョグはいつでも使用できます。これは、パーツの加工中に機械に停電が発生した場合に工具を復旧する際に特に役立ちます。

停電後に加工中の工具を復旧するには、 [power up] を押します。ゼロリターンポップアップが表示されます。

VJと入力し、 [HANDLE JOG] を押します。正方向にジョグすると、現在のスピンドルベクトルに沿って、工具がパーツから離れます。負方向にジョグすると、現在のスピンドルベクトルに沿って、工具がパーツに向かって移動します。

タップ復旧機能は、ベクトルジョグを自動的に利用して、垂直でない穴からのタップを復旧します。

GM-2-5AXには、直感型ワイヤレスプローブシステム（WIPS）が標準装備されています。このシステムは、ワークオフセットと工具オフセットの設定に使用され、GM-2-5AXに固有の特別なプローブルーチンも含まれています。これらの特別なプローブルーチンは、校正球体アセンブリを使用します。

WIPSを使用してワークオフセットと工具オフセットを検査するには、B軸とC軸が両方ともゼロでなければなりません。

BおよびC軸がゼロになっていないときにWIPSによる工具オフセットまたはワークオフセットの検査ルーチンを実行すると、アラーム1005/1006 JOG TO A SAFE PLACE AND ZERO B/C AXIS が発せられます。