同期スピンドル制御
2スピンドル旋盤は、メインスピンドルと第2スピンドルを同期させることができます。これは、メインスピンドルが回転の指令を受け取ると、第2スピンドルも同じ速度と方向で回転することを意味します。これは、同期スピンドル制御(SSC)モードと呼ばれます。SSCモードでは、両方のスピンドルが加速し、速度を維持し、一緒に減速します。この両方のスピンドルを利用し、両端で加工品をサポートして最大限のサポートを確保し、振動を最小限に抑えることができます。また、加工品をメインスピンドルと第2スピンドル間で移動させることができ、スピンドルを回転させ続けながら「部品の反転」を効果的に行えます。
SSCに関連するGコードは2つあります。
G199はSSCを有効にします。
G198はSSCを取り消します。
G199を指令すると、両方のスピンドルは、プログラムされた速度へ加速する前に正しい位置に置かれます。
注:同期された2スピンドルをプログラムする場合、G199を指令する前にまず両方のスピンドルをM03(メインスピンドルにおいて)およびM144(第2スピンドルにおいて)の速度まで加速させなければなりません。スピンドル速度を指令する前にG199を指令すると、2つのスピンドルは加速しながら同期を維持しようと試みます。その結果、加速にかかる時間は通常よりもはるかに長くなります。
SSCモードが有効である場合、[RESET]または[EMERGENCY STOP]を押すと、SSCモードはスピンドルが停止するまで引き続き有効になります。
同期スピンドル制御画面
スピンドル同期制御画面は、[CURRENT COMMANDS] 画面で表示できます。スピンドルコラムによってメインスピンドル状態を把握できます。第2スピンドルコラムによって第2スピンドル状態を把握できます。3番目のコラムはさまざまな状態を示します。左には行のタイトルのコラムがあります:
G15/G14 - G15が第2スピンドルコラムに表示されている場合、メインスピンドルが統制スピンドルです。G14が第2スピンドルコラムに表示されている場合、第2スピンドルが統制スピンドルです。
同期(G199)- G199が行に表示されている場合、スピンドル同期が有効です。
位置(DEG) - この行は、スピンドルと第2スピンドル現在位置を度で示します。値は-180.0度~180.0度の範囲です。これは各スピンドルデフォルトの配向位置に相対する値です。
3番目のコラムは、この2つのスピンドル間の差を度で示します。両方のスピンドルが個々のゼロマークにある場合、この値はゼロです。3番目のコラムの値が負の場合、第2スピンドルが現在どの程度メインスピンドルから遅れているかを度で表しています。3番目のコラムの値が正の場合、第2スピンドルが現在どの程度メインスピンドルをリードしているのかを度で表しています。
速度(RPM)- この行は、メインスピンドルと実際の第2スピンドルRPMを示します。
G199 R位相 OFS。- これはG199向けにプログラムされたR値です。この行は、G199が指令されていない場合には空欄になります。そうでない場合、この行には、直近に実行されたG199ブロックのR値が含まれます。
チャック - このコラムは、保持具(チャックまたはコレット)のクランプ状態またはクランプ解除状態を示します。クランプされている場合、この行は空欄になります。あるいは、保持具が開放されている場合、赤い字で「クランプ解除」と表示されます。
負荷 % - これは、各スピンドルにおける現在の負荷をパーセントで示します。