4.4 DT/DMの整列

この手順では、ツールチェンジャーをDT/DMシリーズで整列する方法を説明します。

 注意：  整列する必要がある2つの独立したツールクランプ解除システム（ 手動 [5、7]および 自動 [2、3]クランプ解除）があります。手動クランプ解除は工具の挿入と取り外しを手動で行い、自動クランプ解除は自動工具交換操作中の工具の挿入と取り外しを行います。 

図表

1. カムボックス
2. ツールリリースカム
3. ストライカーブロック
4. サポート用ベアリング
5. ツール解除ピストン
6. ロッカーアーム・リターンスプリング
7. 手動解除アーム
8. 押出し調整クレビス
9. ロッカーシャフト・サポートベアリング(x2)
10. ロッカーアーム
11. ロッカーアームフォロワー
12. ガイドリリース
13. カムフォロワーアーム
14. カムフォロワー
15. ダブルアーム
16. テーパーロック

必要な工具

• T-2108 ダブルアーム整列ツール
• （2）3/8-16 x 2.5"ソケットヘッドキャップスクリュー（SHCS）
• DT:
  • T-1224 BT 30テーパー分割ツール
  • T-2173 BT 30テーパー分割ツールピン
• DM:
  • T-2086 CT 40テーパー分割ツール
  • T-2087 BT 40テーパー分割ツール

 注意： この手順は古いスタイルのロッカーアームに適用されます。新しいスタイルのロッカーアームはストライカーブロックを必要としません。スピンドルヘッドに新しいスタイルのロッカーアームが取り付けられていない場合は、この手順をスキップしてください。

Z軸工具交換のオフセットを設定します。

ストライカーブロックとベアリング間の適切なギャップは、0.0040"～0.0020"です。

0.0040"のシム[2]を、ストライカーブロック[3]とベアリング[1]の間に入れます。シムが合わない場合は、手順2に進みます。

シムが収まる場合は、以下の手順を実行します：

• ストライカーブロックを固定している4本のネジ[4]を緩めます。
• 0.0020"のシムを、ストライカーブロックとベアリングの間に入れます。
• スティッカーブロックを、シムに押し付けます。

ねじを締めます。 Haas ファスナートルク仕様をご参照ください。

シムを取り外します。

Z軸をゼロリターンします。ダブルアームを原点にして、手動リリースボタンを使用して工具ホルダをスピンドルに挿入します。 工具ホルダの底面に対して、ドロップインジケーター を配置します。インジケーターをゼロにします。

工具ホルダを押上げながら、ツールリリースボタンをアクティブにします。

 要注意: ツールを落とさないでください。

プッシュアウトは、0.035”(+.010”, -0)である必要があります。そうでない場合は、手順3に進みます。

インジケーターが0.035" (+0.010"/ -0")を示さない場合、押出しを調整するには、次の手順を実行します。

• クレビスピンを取り外します。
• 1 1/8"レンチを使用し、クレビスの3/4" -16ジャムナット[1]を緩めます。
• クレビスを調整します：
  • クレビスを時計方向に回すと押出しが減少し、反時計方向に回すと増加します。
  • クレビスの1/2回転は、押出しの0.010"に等しくなります。

クレビスピンを取付け、押出しを再確認します。

押し出しが適切な場合は、ジャムナットを締付けます。

ロッカーアームの押出しが適切に調整されていることを確認するには：

Z軸をゼロリターンします。HOME G28を押します。

ジョギング（寸動）中に、ツールチェンジャーアーム軸を表示して、位置を表示します。

• NGCとして、パラメータ11.019, TA INVIS AXIS を 偽FALSEに設定します。これには、NGCのサービスキーが必要です。
• クラシックHaas制御の場合、パラメータ[462:18, V INVIS AXIS]を 0 に設定します。

位置ページに移動し、適切な軸ボックスをチェックします。軸が表示されます。

ダブルアームを原点になるまでジョグ（寸動）します。手動リリースを使用して、工具ホルダ[1]をスピンドルに配置します。

インジケーター[2]の先端を、工具ホルダの底部に接触させます。インジケーターをゼロにします。

インジケーターベース[3]を静かに動かして、ツールチェンジャーアームをジョグ（寸動）できるようにします。工具ホルダを取り外します。

ツールチェンジャーアームをツール交換位置（160周辺）に、あるいはドローバーが完全に解放されるまでジョグ（寸動）します。

ドローバーを解放した状態で、手でスピンドルテーパーに工具ホルダを完全に配置します。

 注意： ドローバーは、工具ホルダをクランプしません。

手で持ったまま、インジケーターを工具ホルダの底にそっと置きます。

ロッカーアームの押出しが正しく調整されている場合、インジケーターは0.035" (+ 0.005"/- 0")になります。

インジケーターの読み取り値が正しくなるまで、ロッカーアームシム[1]を追加したり、取り除いたりします。

ロッカーアームのベアリングが、適切に調整されていることを確認してください。

B 軸を原点へジョグ（寸動）します。

各ロッカーアームベアリング[1]とスピンドルガイドリリース[3]との間に、0.040"のシム[2]を入れます。

適切な調整により、ベアリング[1] 0.040"がリリース[3]の上に配置されます。

ガイドリリース上のベアリングが0.040" (+/- 0.01")ではなくても、押出しが適切であれば、以下の手順を実行します：

• ロッカーアームのハードストップボルト[1]を見つけます。
• 1/2"のレンチを使用し、3/8"-24のジャムナット[2]を緩めます。
• ベアリングがリリース上で0.040"になるまで、ストップボルトを調整します
• ロッカーアームの押出しを再確認します

各ロッカーアームベアリングとスピンドルガイドリリースの間に挿入した0.040"のシムを取り除きます

位置合わせツール[2]を、ダブルアームに置きます。2本のネジ[6]を、位置合わせツールに使用します。

 注意： 整列ツールの脚がプランジャーのカバー[3]を通過していることを確認します。

ダブルアーム[1]を、出力シャフトに取付けます。

センタースクリュー[4]を回して、出力シャフトのダブルアームを上げます。

クランプネジ[5]を、軽く締付けします。ダブルアームが定位置にとどまるまでこれを行いますが、手で動かすことができます。

 注記: クランプスクリューを締め過ぎないでください。これにより、ダブルアームの高さ調整をすることが難しくなります。

 EMERGENCY STOPを解除します。

V軸を0°までジョグ（寸動）します。これにより、サイドマウントツールチェンジャー(SMTC)の回転ラックが回転します。

 EMERGENCY STOPを押します。

アクティブな工具ポケットに工具ホルダを挿入します。工具ホルダの表面が平らであることを確認してください。ツールの最小ノーズの長さは、2" (51mm)でなければなりません。

インジケーターの先端を、工具ホルダの底部に置きます。インジケータをゼロにセットします。

 DEBUG モードに入ります。

 EMERGENCY STOPを解除します。

テーブルをジョグ（寸動）して、インジケーターを工具ホルダから離します。

工具を工具ポケットから取り出します。

ZERO RETURNを押します。 Zを押します。 HOME G28を押します。

V軸をマイナス方向へ-8.0°にジョグ（寸動）します。

T軸をマイナス方向へ-243.0°にジョグ（寸動）します。

 注意： アームは、移動領域の底部近くにある必要があります。

[緊急停止]を押します。

回転ラック側のダブルアームに工具ホルダ[1]を置きます。

ダブルアームのプランジャーを押し下げます。スピンドルの下のダブルアームに、分割ツール[3]の下半分を置きます。分割ツール[2]の上半分を下半分に置きます。

分割ツールを半分に揃えます。分割ツール位置合わせロッド[4]を挿入します。手のひらで、分割ツールのロッドを保持します。

 要注意： アームとスピンドルの間に手を入れないようにしてください。

 EMERGENCY STOPを解除します。

 Tを押します。 HAND JOGを押します。 0.01を押します。

T軸をゆっくりマイナス方向へ-284.0°までジョグ（寸動）します。

 要注意： 工具ホルダが、回転ラックのポケットに接触していないことを確認します。

 要注意： スピンドルドッグ[1]と分割ツール[2]の上半分が、分割ツール[4]の下半分に揃っていることを確認します。

ロッドを使用して、分割ツールの上半分をスピンドルに押込みます。スピンドルにしっかりと固定されていることを確認してください。

T軸をゆっくり負(-)の方向へ-302.0°までジョグ（寸動）します。

ずれを修正するには、T軸を正(+)方向へ-284.0°までジョグ(寸動)してこのステップを繰り返します。

分割ツールの上半分と分割ツールの下半分の間のギャップ[3]は、0.06" (1.52mm)以下にする必要があります。

[緊急停止]を押します。

分割ツール[1]の下半分が、アームから出ていないことを確認します。

分割ツールロッド[2]を取り外します。手を使ってダブルアームを回転させます。分割ツールを半分に揃えます。分割ツール位置合わせロッドを挿入します。

 注意： 分割ツールはスムーズに入る必要があります。分割ツールがX方向でオフになっている場合は、SMTCを調整する必要があります。

 EMERGENCY STOPを解除します。

平らな面で、工具ホルダの下にインジケーター[1]を移動します。インジケーターが0を示すまで、中央のネジ[2]を回します。

分割ツールの上半分と分割ツールの下半分の間のギャップは、0.06" (1.52mm)以下にする必要があります。

6本のクランプネジ[3]を、軽く締付けします。クランプネジを締付けするには、以下の手順を実行します。

• 対角にねじを締付けします。
• 5 ft-lb (6.8 N-m)の増分でネジを締付けします。
• インジケーターを見て、アームが水平であることを確認します。インジケーターは、0.005" (0.13 mm)以上移動しないでください。必要に応じて、締付けパターンを変更して、アームを水平に保ちます。
• ネジが25 ft-lb (33.9 N-M)のトルクで締付けられるまで、パターンを繰り返します。
• パターンを完了するたびに、分割ツールの位置合わせロッドを挿入します。分割ツールはスムーズに入る必要があります。分割ツールがOFFの場合は、位置合わせを修正してください。
• インジケーターの動きが大きすぎる場合は、位置合わせの手順をやり直す必要があります。

インジケータを0に設定します。インジケーターを、ツールから離します。インジケーターの設定は変更しないでください。

T軸をゆっくり正(+)の方向へ-243.0°までジョグ（寸動）します。分割ツールの半分を取り外します。

インジケーターを使用して、以下の位置で工具ホルダの高さを測定します。

 要注意： アームをゆっくりとジョグ（寸動）し、ツールチェンジャーポケットに接触しないようにしてください。

• T軸が-302.0°に設定されている場合のスピンドル[1]の下の工具ホルダ。
• T軸が-100.0°に設定されている場合の工具ポケット[2]の間の工具ホルダ。

インジケーターが0.01" (0.25 mm)を超える場合、-302.0°ではステップ7とステップ9の間で、ダブルアームは水平ではありません。この手順を何度も繰り返します。

インジケーターが-302.0°あるいは-100.0°で、0.01" (0.25 mm)を超える場合、SMTCを調整する必要があります。

インジケーターが0.01" (0.25 mm)未満の場合、ダブルアームは水平です。

T軸を正(+)の方向へ-100°までジョグ（寸動）します。

V軸を正(+)の方向へ0°までジョグ（寸動）します。

分割ツールの半分[1, 2]を、工具ポケットとダブルアームに取付けます。

位置合わせロッド[3]を、分割ツールの上半分[1]と下半分[2]に慎重に通します。

• 工具ポケットとダブルアームがY方向に揃わない場合は、V軸を0.3°以上ジョグ（寸動）しないでください。次に、パラメーター415を変更します。
• ダブルアームがX方向に揃わない場合は、SMTCを調整する必要があります。

位置合わせツールとインジケーターを取り外します。

 EMERGENCY STOPを解除します。

 RESET を押し、アラームをクリアします。

移動領域の底部に到達するまで、T軸を下方向にジョグ（寸動）します。

[緊急停止]を押します。

工具を取り外します。

 DEBUG モードを終了します。

パラメータ 462:18、INVIS AXIS を 1に変更します。

パラメータ 390:18、INVIS AXIS を 1に変更します。

ツールチェンジャーの復旧を行ってください。