機能座標系（G268）は、この「ジンバルヘッド」スタイルの機械独自のHaas制御に搭載されている新機能です。定義上、作業面は、スピンドルの中心線に垂直です。他の大部分のHaas 5軸ミリング機械では、スピンドルの中心線はZ軸に平行であるため、回転テーブルに取り付けられた加工品の向きに関係なく、作業面はZ軸に垂直です。これは、固定角度のヘッドが使用されていないことを前提としています. . . これについては追って詳しくご説明します。

スピンドルの中心線（切削工具）は実質的にあらゆる角度に傾斜できるようになることから、G268機能座標系を作成し、傾斜サイクル、円弧補間、カッター補正など、傾斜した作業面の平面工具パスのプログラミングを簡素化しました。

加工品座標系のX軸、Y軸、Z軸の座標を使用してG268のコマンドを与えることで、新しい機能座標系のゼロポイントを確立します。傾斜した作業面角度は、実際の工具軸角度を使用して現在の工具軸方向に垂直になります（VRシリーズ機械上のB軸とC軸）。工具軸方向は、G268にオプションのアドレスコードI、J、Kを使用して定義することもできます。角度を定義するこの代替方法により、2軸および3軸旋盤だけでなく、3軸ミリング機械の固定角度ヘッドでG268機能座標系を使用できます。

G268の詳細については、オペレーターマニュアルを参照してください。

G253「スピンドル方向を機能座標系に垂直に設定」は、同じ傾斜面で複数の工具を使用する場合に、傾斜した作業面のプログラミングを簡素化します。

G268（「傾斜作業面」）が有効になっている場合、工具軸の方向と機能座標系がコントロールに保存されます。傾斜面で特定の切削工具を使用する作業を完了した時点で、安全な位置に格納し、工具交換のコマンドを与えることができます。工具を交換して安全な位置に再配置したら、G253（「スピンドル方向を機能座標系に垂直に設定」）のコマンドを与え、工具軸を傾斜した作業面に戻します。工具交換をしても、傾斜した作業面をキャンセルして次の工具に向けて再度定義する必要はありません。 

ジンバルヘッドを持つ機械には、工具軸ベクトルに沿ってジョグを行う方法が必要です。ベクトルジョグモードを起動するには、文字キー[V]、[J]、そして[HANDLE JOG]キーを順に押します。ジョグは、ハンドルジョグホイールを回転させることによってのみ発生させることができます。単一軸ジョグキーの1つを押すと、ベクトルジョグモードが終了します。ジンバルヘッドはないものの、固定角度のヘッド工具ホルダを備える機械では、ベクトルジョグモードに入った後に固定角度を入力できます。

ベクトルジョグ機能は、ある角度でドリルで穴を開けている最中の電力遮断から回復するのに役立ちます。電力が復旧すると、コントロールは回転軸がゼロではなかったことを認識し、リカバリーモードを起動します。ベクトルジョグは、機械軸を原点復帰するために起動／再起動機能を実行する前に、切削工具を加工品から除去するために使用します。これは、電源が落ちた時点で機械がタッピングサイクルにあった場合のタップ回復にも有効です。