この手順では、DCシリーズの機械でツールチェンジャーモーターを交換する方法の概要を説明します。ツールチェンジャーモーターを交換するには、次のサービスキットを注文できます。

• 93-4832 - DC-1/2 - ブレーキ付き30T TCモーター
• 93-4816 - DC-1/2 - ブレーキ付き30T TCモーター

注意：93-4832には、ブレーキモーターのみが含まれています。これは、ブレーキサーボモーターを新しいブレーキモーターに交換する場合に注文する必要があります。ブレーキなしのモーターをブレーキモーターに交換する場合は、93-4816を注文してください。

注記：機械にブレーキ付きまたはなしのTCモーターがあるかどうかを確認するには、機械の部品表を確認するか、モーターからのケーブルを視覚的に検査します。画像のケーブルは、モーターがブレーキモーターであることを示すブレーキ用の接続部を備えています。

ブレーキモーターは部品番号62-4445Aで、IO PCBに接続するブレーキケーブルを備えています。ブレーキなしのモーターは部品番号62-4445で、サーボアンプに接続されている電源ケーブルとMaincon PCBに接続されているエンコーダーケーブルのみを備えています。

工具回転ラックの前面[1]と背面[2]のカバーを取り外します。

注意： ポケット1にマーキングがあることを確認し、フロントカバーを再度取り付けるときに回転ラックのカバーの向きが明確になるようにします。

パラメータ9.019 - TT軸非表示をFalseに変更して、TT軸を表示します。

次に[Position]を押し、[Alter]を押します。

TT軸を強調表示して、[Enter]を押します。TT軸の横にチェックマークが表示されます。

[TT]+[Handle Jog] を押して、工具回転ラック軸をジョグします。

次の手順に進みます。 

TT軸モーターのシャフトは、TT軸のギアボックス内に直接配置されています。ギアボックスには、カラーボルトを使用してシャフトに摩擦フィットするカップラがあります。

注意： この画像ではモーターは表示されていないため、ギアボックスとカップラが見えるようになっています。

モーターを取り外すには、モーターカップラのカラーボルト[1]を緩める必要があります。

TT軸ギアボックス[3]の上部からプラスチックカバー[2]を取り外して、アクセス穴[4]を使用します。

注記：新しいモーターを取り付けたら再取り付けできるように、プラスチックカバーを保管してください。

 カラーボルト[1]がギアボックス[2]の穴からアクセスできるようになるまで、TT軸をジョグします。

カラーボルトは、緩めるためにアクセス穴に完全に整列させる必要があります。右の画像のように、穴が整列するまでジョグを続けます。

ボルトにアクセスするには、メートル法の六角頭を使用します。カップラがモーターシャフトにクランプされなくなるように、ボルトを緩めます。

注記：画像のビューは、回転ラックの上部から機械のテーブルに向かって見下ろしたものです。

モーターを取り外すには、モーターをギアボックス[2]に固定している4つの取付けSHCS[1]を外します。

SHCSが約半分緩められたら、モーターをギアボックスから引き離し、シャフトがカップラから外れていることを確認します。モーターがプレートから分離し始めるはずです。

モーターの電源ケーブルをブレーキの電源ケーブルに交換する場合は、モーターを完全に取り外す前に次の手順に進みます。

電源ケーブルを取り外す必要がない場合は、機械の電源を切り、両方のコネクタをモーター[3]から外して、新しいモーターの取り付けを続けます。

重要：ブレーキなしのモーターをブレーキモーターに交換する場合のみ、モーター電源ケーブルの取り外しおよび配線の見直しが必要になります。ここでは、新しい電源ケーブルを取り付ける必要があります。ブレーキモーターを新しいブレーキモーターに交換する場合は、次の手順にスキップしてください。

TT軸モーターの電源ケーブルをサーボアンプ[1]およびモーター端[2]から取り外します。

TT軸のエンコーダーケーブルをモーター端[3]から取り外します。

注記：エンコーダーケーブルは交換用モーターでも再利用するため、ツールチェンジャーへの配線はそのまま残しておいて構いません。

交換キットに含まれるケーブルに交換するため、制御キャビネットから電源ケーブルを取り外します。

注記：電源ケーブルのフェライトフィルター[5]を、新しい電源ケーブルに付け替えられていることを確認します。

ケーブル32-1385 [4]を制御キャビネットから工具回転ラックのモーターに配線します。

ブレーキモーターを新しいブレーキモーターに交換する機械の場合：

電源ケーブル[1]とエンコーダーケーブル[2]を新しいモーターから取り外します。

交換用モーターでも同じ接続ができるため、これらのケーブルは配線したままにできます。

モーターシャフト[2]からキーを取り外します。ギアボックスカップラには、キー溝がありません。

4つの取付けSHCS[1]をしっかりと締めて、モーターを大まかに所定の位置に保持します。

注記：この時点では、取付けボルトを完全に締めないでください。これにより、モーターシャフトとギアボックスカップラがずれる可能性があります。

工具回転ラック[1]を時計回りと反時計回りに回転させます。

これは、モーターシャフトをギアボックスに整列するのに役立ちます。

前後に回転させた後、回転ラックを回転させて、ポケットがほぼ平らでスピンドル[2]と一直線になるようにします。

ツールチェンジャーギアボックス[1]のアクセス穴を使用して、ギアボックスカップラのピンチボルト[2]を締めます。 

必要に応じて回転ラックを回転させて、ピンチボルトがアクセス穴に揃うようにします。

仕様の要求に合わせたトルクで、ピンチボルトを締めます。ピンチボルトはM6 x 1なので、10フィートポンドのトルクで締めます。

ギアボックスのアクセス穴をプラスチックカバーで覆い、ギアボックスに汚染物質が入らないようにします

注記：交換用モーターにブレーキがある場合、ピンチボルトを締めると回転ラックは手で回転できません。 

モーターシャフトをギアボックスカップラにクランプした後、モーター取付けボルト[3]を完全に締めます。

電源ケーブルとエンコーダーケーブルをモーターに接続します。

新しいモーターが設置されたら、電源ケーブル[1]とエンコーダーケーブル[2]を新しいモーターに接続します。

モーターの電源ケーブルがアースに接続されており、フェライトフィルター[4]がエンコーダーと電源ケーブルに正しく取り付けられていることを確認します。

注記：ケーブルが電気キャビネットに正しく接続されていることを確認してください。ブレーキモーターの場合、ブレーキケーブル（32-1385電源ケーブルと統合）がP3, P4またはP5のいずれかでIO PCB [3]に接続されていることを確認します。

モーターが交換されたため、TT軸のパラメータ値をリセットする必要があります。オフセットの設定方法については、次のセクションに進んでください。